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lit-356  ロートレアモン全集
      イジドール・リュシアン・デュカス
      思潮社
      1973年 初版
      2.520円(新装版の現行価格3.262円)

     浪漫派の末裔或いは20世紀に於いて「書くこと」
     をまともに追求してしまった方々の参照項として
     有名な詩人の全集(『マルドロールの歌』『ポエ
     ジー』)。とかく暗黒&過激云々との冠付きで語
     られがちな作品ですが、野中ユリの装幀からも伺
     える様に本書の訳には不思議な静けさが漂います。


 
 

  lit-356  ロートレアモン全集      イジドール・リュシアン・デュカス      思潮社      1973年 初版      2.520円(新装版の現行価格3.262円)      有名な栗田勇訳や最新の石井洋二郎訳と読み比べ      てみるのも面白いかも。又、ブランショ『ロート      レアモンとサド』、ル・クレジオ『来るべきロー      トレアモン』も微妙な箇所はあれ一読の価値あり。      尚、読者超限定ですが、ギュイヨタ『五十万人の      兵士の墓』は内容/構成共に共振しておりお薦め。    
  lit-364  ゼーノの苦悶/影のない女 世界文学全集32      ズベーボ/ホフマンスタール      集英社      1968年 初版      2.100円(絶版)      自意識の牢獄を彷徨し続ける主人公を描いたズベ      ーボ、没落してゆくオーストリア=ハンガリー帝      国の断末魔渦巻くウィーンで「書くこと」を巡る      困難さを生きたホフマンスタールが収録。後者は      R・シュトラウスとの共同作業でも有名ですが、      収録作も甘美&官能的な味わいの佳品。    
  lit-364  ゼーノの苦悶/影のない女 世界文学全集32      ズベーボ/ホフマンスタール      集英社      1968年 初版      2.100円(絶版)      前者はジョイス、ブランショからの賛辞で有名で      すが、そういった技法的な面から離れ、本作を神      経症&禁煙、そして健康概念を巡る小説として読      んでみるのも面白いのでは。補助線としてR・ク      ライン『煙草は崇高である』太田出版や『禁煙フ      ァシズム』ベストセラーズを併読するのも◎かと。    
  lit-376  悪徳      エルヴェ・ギベール      ペヨトル工房      1994年 初版      2.415円(絶版)      著者20代半ばの作品。身辺・旅の中で現れた微細      な出来事&触発された意識を語彙集よろしく詰め      込んだ、ある種のネタ帖的側面をも持つ内容。収      録された写真も仄かな死臭と郷愁を滲ませつつ、      繊細且つ大胆不敵な記述と絶妙に共振。読者の情      動に不穏な翳りを投げかけます。    
  lit-376  悪徳      エルヴェ・ギベール      ペヨトル工房      1994年 初版      2.415円(絶版)      ここで自らに向けられる記述の鋭さは偽悪という      よりも、悪戯っ子の遊戯とも言えそうな趣。剥製、      実験器具、墓等々のお題も夜の実験室や廃墟探検      に耽る少年の心性に通じるかと。同時期のビッチ      ことソフィ・カルとの読み比べも一興。或いはレ      リス『成熟の年齢』現代思潮新社に挑戦する手も。    
  lit-393  ナジャ/死刑執行 新集世界の文学34      アンドレ・ブルトン/ルイ・アラゴン      中央公論社      1971年 初版      2.100円(絶版)      清水徹訳『ナジャ』、三輪秀彦訳『死刑執行』の      二篇が収録。ブルトンが激怒しそうな二本立てで      すが、嘗ての同志二名が歩んだ異なった道のりに      思いを馳せながら読むのも一興。前者は一種の吸      血鬼譚としても読めるかと。若さ溢れる前者、最      晩年の総括ともいえる後者と対比の妙も◎です。    
  lit-397  フィネガン徹夜祭      ジェイムズ・ジョイス      都市出版社      1971年 初版      4.200円(絶版)      装幀=堀内誠一・矢牧一宏・都市出版社という単      語郡に反応してしまうマニア向けの本。鈴木幸夫・      野中涼・紺野耕一・藤井かよ・永坂田津子・柳瀬      尚紀の共同作業により初めの三章分が訳出&ステ      ラ・スタインによる挿画三枚収録。未だ本造りの      情熱/技術があった70年代の雰囲気濃厚な一冊。    
  lit-440  ベイラの獅子像 橘外男傑作選3      橘外男      社会思想社(教養文庫)      1977年 初版      1.470円(絶版)      小栗虫太郎〜久生十蘭〜香山滋といった「探偵小      説」に於ける秘境派の系譜に位置するとも言える      著者の怪奇小説集。先の三人に比べ、良い意味で      の出鱈目さと腥さが混淆した作風は好みを分ける      でしょうが、日活無国籍活劇或いは大蔵映画の様      な味わいに、虜仕掛けになる読者も多いのでは。    
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