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lit-479  夢の貨幣 スヘヴェニンゲンの浜辺 集英社版世界の文学2
      M・ユルスナール P・ガデンヌ
      集英社
      1978年 初版
      1.890円(絶版)

     前者はファシズム期のイタリアを舞台に、後者は
     連合軍による解放直後のフランスを舞台に、歴史
     の流れに翻弄される人々や、思想への憎悪、或い
     は愛に対する冷徹な視線をそれぞれ描いています。
     世界が再びキナ臭さを増しつつある昨今、再読す
     る事で発見のある一冊ではないかと。


 
 

  lit-498  序破急急      塚本邦雄      筑摩書房      1974年 2刷      1.890円(絶版)      戦後の日本に於いて歌人である事の可能/不可能      性を生きた著者による本・言葉・季節を巡るエッ      セイ。取り上げられる作家は久生十蘭、ブラッド      ベリ、チャンドラーなど。特に「バベルの塔'72」      と題された一文には「言葉」を巡る著者の激烈な      想いが漲っています。    
  lit-527  女たち      ピエール・ガスカール      講談社      1955年 初版      1.890円(絶版)      的確な(冷徹ですらある)記述と独特の修飾具合      の不均衡からモーパッサンを過激化した様な幻想      性を帯びた作品を産出する事で知られる著者の中      期短編集。冷ややかさと激情に引き裂かれる、不      思議な陰影を湛えた女性達が登場。従来の作風か      らの転換の兆しが見え始め、次作『種子』で結実。    
  lit-534  ル・クレジオは語る      J・M・G・ル・クレジオ ピエール・ロスト      二見書房      1974年 初版      2.940円(絶版)      前半は1969年及び翌年に行われた放送用のインタ      ビューを活字化したもの。ル・クレジオの希望で      収録された音全てが表記されているので、文体等      はまるで初期作品の様な雰囲気です。後半は彼の      手掛けた評論(フェリーニ、セリーヌ他)が収録。      彼の初期作品が好きな方にお薦め。訳は望月芳郎。    
  lit-540  逃亡の書      ル・クレジオ      新潮社      1971年 初版      2.730円(絶版)      初期の作品に見られた絶対的な孤独の内に幻視さ      れる世界との恍惚的な合一といった主題は後退し、      既にある世界を移動し記述してゆく試みの内に世      界との関係を問い直そうとする方向へと転換が見      られ、そこら辺が評価の分かれ目な一冊。後書き      の著者日本滞在記は面白過ぎる話題が満載です。    
  lit-541  ドン・キホーテ      キャシー・アッカー      白水社      1993年 初版      2.310円(絶版)      バロウズ以降の米文学で実験&暴力性(良い意味      でのいい加減さ)等々で抜きんでるも早々と屑世      界に別れを告げた著者がS・ロトリンガー仕込み      の仏現代思想で武装し、既存作品からの秀逸な剽      窃を元に仕立て上げた(乾いた抒情とタフさが身      上の)女ドン・キホーテ彷徨譚。渡辺佐智江訳。    
  lit-547  テレポートされざる者      フィリップ・K・ディック      サンリオSF文庫      1985年 初版      1.260円(絶版 別訳者による他社版も現在入手困難)      他の星への移住にテレポート装置を利用する様に      なった未来社会が舞台。奇妙な事にテレポート装      置は片道のみ可能でそれに疑問を抱いた(装置の      為に倒産した星間輸送会社の後継者である)主人      公は残された輸送船での旅を画策。妨害工作の中、      事態は意外な方向に展開。欠落部を含む完全版。    
  lit-550  エデン特急      マーク・ヴォネガット      みすず書房      1979年 初版      3.570円(絶版)      著者はカート・ヴォネガット・ジュニアの長男。      ヒッピー革命が退廃へと向かい始めた60年代末に      彼は良心的反戦主義者として、同じような仲間達      とコミューン生活を始めるのですが、薬その他の      影響で発狂→入院。本書はその顛末を綴ったもの      で、対抗と退行は紙一重というべきトホホ物語。        
  lit-553  ジョン・トマスとレイディ・ジェイン 上下      D・H・ロレンス      集英社      上下共に1975年 初版      2冊揃いで3.570円(絶版)分売不可      『チャタレー夫人の恋人』は全部で三稿が存在します      が有名なのは最終稿。本書は第二稿にあたるものです      が、書き込みが最も多く物語として読み応えのある仕      上がり。最終稿を既読の方も面白く読めるはず。『黙      示録論』と併読する事で異教趣味理解が進むかと。題      はJ・ハックスリィの嫁による侮蔑の言-卑語-より。    
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